![]()
水質汚濁防止法では、公共用水域へ汚水を排出する施設(「特定施設」として政令で定められる。)を設置する工場、事業場からの排出水に対して排水基準が定められている。排水基準は、健康項目と生活環境項目のそれぞれごとに一定の濃度で示されている。これらの規制の適用を受ける工場や事業場は、9年度末で約30万事業場にのぼっている。更に、広域的な閉鎖性水域(湖沼や内湾、内海)については、後述のように総量規制制度が導入されている。
排水規制の仕組みは、次ページの図に示すように、特定施設の設置の届出をさせ、必要に応じて計画の変更命令を出し、事業場からの排水に基準違反のおそれがあるときは施設の構造、排水処理方法などの改善命令を行うことであるが、一律基準又は上乗せ基準の違反に対しては罰則が課せられる。また、排水基準が実際に守られているかどうかをチェックするため、事業者の自主的な測定義務、都道府県知事による公共用水域の常時監視などの体制がとられていることである。
なお、このような措置のほか、水質汚濁による被害者の保護のため、事業活動に伴う有害物質の排出によって、健康被害を生じさせた場合には、事業者が賠償責任を負う(無過失賠償責任)という制度を設けている。
1.一律基準
国が定める排水基準(一律基準)については、健康項目としてカドミウム、シアンなどの24項目、生活環境項目として16項目に関する基準値が設けられている。
また、ほう素等3項目が環境基準健康項目に追加されたことに伴い、排出水の排出等の規制に係る項目追加等について、平成11年2月中央環境審議会に諮問したところである。
2.上乗せ基準
汚濁発生源が集中する水域などにおいては、国が定める一律基準によって環境基準を達成することが困難になる場合がある。このような水域については、都道府県が条例で一律基準よりも厳しい基準(上乗せ基準)を定めることができることになっており、上乗せ基準が定められたときは、その基準値によって水質汚濁防止法の規制が適用される。上乗せ基準は、全国都道府県においてその地域の実態に応じて定められている。
3.規制対象の拡大
水質汚濁防止法は昭和46年の法施行当初は、日本標準産業分類の細分類による全産業業種約1,100のうち約500業種を規制対象としていたが、その後、逐次政令の改正により追加拡充される、現在、約600業種を規制対象としている。