■(3)生活排水対策の推進

炊事、洗濯、入浴等の人の日常生活に伴い排出される生活排水は、公共用水域の水質の汚濁の主要な原因の一つとなっている。
このため、水質汚濁防止法では生活排水対策の総合的推進に関して次のような規定を設けている。

1.生活排水対策に係る行政の責務の明確化

市町村が生活排水処理施設の整備、生活排水対策の啓発等の実施を最前線に立って進めるほか、都道府県は市町村が行う生活排水対策の総合調整の役割を、国は知識の普及、地方公共団体が行う生活排水対策の援助の役割を担うことを明らかにしている。

2.生活排水対策に係る国民の責務の明確化

国民の責務については、何人も公共用水域の水質の保全を図るため、調理くず、廃食用油等の処理、洗剤の使用等を適正に行うように心がけるとともに国又は地方公共団体の生活排水対策の実施に協力することを法律上明文化し、また、生活排水を排出する者は生活排水の処理に資する設備の整備に努めなければならないとの規定を設けている。

3.生活排水対策の計画的推進

生活排水対策の計画的推進については、水質環境基準が確保されていない等生活排水対策の実施が特に必要であると認められる地域を生活排水対策重点地域として都道府県知事が指定することとし、指定地域内の市町村は、生活用水処理施設の整備、生活排水対策の啓発を柱とする生活用水対策推進計画を策定し、それに基づいて対策を推進することが規定されている。

4.総量規制地域における排水規制対象施設の拡大

総量規制に係る指定地域(19、21ページの図参照)における排水規制対象施設を拡大するため、この地域においてのみ規制対象となる「指定地域特定施設」の制度が創設され、現在処理対象人員201〜500人のし尿浄化槽が指定されている。

以上の趣旨を踏まえ、一層生活排水対策を推進するために、下水道、合併処理浄化槽、農業集落排水施設、コミニティ・プラント等の各種生活排水処理施設の整備を地域の実情に応じて計画的に進めるとともに、各家庭から発生する汚濁負荷を削減するため、住民意識の啓発、住民による実践活動の推進等の対策が進められている。

生活排水対策に係る各主体の責務
市町村 ・生活排水処理施設の整備
・啓発に携わる指導員の育成
・その他の生活排水対策に係る施策の実施
都道府県 ・広域にわたる施策の実施
・市町村の施策の総合調整
・知識の普及
・地方公共団体への技術上、財政上の援助
国 民 ・調理くず、廃食用油等の処理、洗剤の使用等の適正化の心がけ
・国、地方公共団体の対策の実施に協力

図2 生活排水対策

図3 海域の発生源別汚濁負荷量の割合(平成6年度)


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