2014年9月5日
PACON 2014里海国際シンポジウムの結果
- 日時
- 2014年8月25日(月)~27日(水)
- 場所
- 日本大学理工学部駿河台キャンパス1号館
シンポジウムの概要
PACON (Pacific Congress on Marine Science and Technology) 2014の中で、“Sustainable Use and Conservation of Marine Resources Through Sato-umi and Integrated Local Environment Knowledge”と題する国際シンポジウム行われ、メンバーから柳(国際エメックスセンター)および日高(近畿大学)の2名が発表した。
”Satoumi Management in Japan” 柳 哲雄(国際エメックスセンター)
日本のsatoumi概念を含んだ海洋政策、特に環境省の諸活動と現在行われている環境省環境研究総合推進費 戦略研究開発領域S13「持続可能な沿岸海域実現を目指した沿岸海域管理手法の開発」の研究内容について紹介。
”The Management Organization of Satoumi as Integrated Coastal Management in Japan” 日高 健(近畿大学)
satoumi創生を含む統合沿岸域管理(Integrated Coastal Management)を成功させるためにはどのような形態の管理母体を設立し、どのような活動を行う必要があるかを論じた。
その他の発表
”Satoumi and Coral Reef Fisheries Management” 鹿熊 信一郎(沖縄県海洋深層水研究所)
沖縄の恩納村漁協による市民を巻き込んだサンゴ礁保全活動、漁民による石西礁湖における産卵・仔稚魚保全活動、ナマコ・タコの漁獲制限活動など沖縄におけるsatoumi活動を紹介。
”Integrated Local Environmental Knowledge to Connect Satoumi and Watershed Restoration” 佐藤 哲(総合地球環境学研究所)
satoumi創生のためには集水域管理が重要であり、集水域管理を成功させるためには、統合地域環境知(Integrated Local Environmental Knowledge)に基づいたCommunity-Based Managementを行う必要があることを指摘し、その成功例として、北海道東部の西別川における漁民と農民のsatoumi活動を紹介。
”Satoumi in Depopulating Aging Society: From a Viewpoint of Resilience” 中川 千草(総合地球環境学研究所)
高齢化と人口減少が著しい日本の漁村において、satoumi概念を有効に用いて、如何にして復元力の高い社会を構築していくかを論じた。
“The Potential of the Satoumi Framework to Address Conservational Issues” T. R. Muraoka(横浜国立大学大学院)
日本とブラジルの沿岸漁業を比較して、ブラジルの漁村にもsatoumiと同様な地域環境知があることを紹介。
“Status of the Giant Clam Tridacna Squamosa in the Gulf of Thailand” T.Yeemin(Ramkhamhaeng University, Thailand)
タイ湾におけるGiant Clamの保全活動が地元民の協力を得て、2010年から行われていて、satoumi創生活動が始まっていることを紹介。
総合討論
世界の沿岸海域環境保全のためには、今回のようなシンポジウムが有益なので、2016年にSarasota, Florida (USA)で次のsatoumi国際シンポジウムを開催することが提案された。