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2019年1月16日

第12回エメックス会議 ICM & 里海特別セッション報告

日時
2018年11月5日(月)13:30~16:30
場所
タイ王国・パタヤ
ジョムティエン・パームビーチ・ホテル オリエンタル・パーム2
参加者
約70名

座長・発表者

座長

柳哲雄(公財)国際エメックスセンター特別研究員

共同座長

パタマ・シンハルク チュラロンコン大学

主な発表者

柳哲雄(公財)国際エメックスセンター特別研究員
西嶋渉 広島大学教授
小松輝久 横浜商科大学教授
吉田尚郁(公財)環日本海環境協力センター主任研究員
ロバート・サマーズ 元メリーランド州環境長官(SPC 委員)
上原卓郎 立命館大学准教授
スヘンダル・サコマル インドネシア政府技術評価応用庁
山本郷史 環境省閉鎖性海域対策室長
ビル・カーター APN センター研究員

結論

本セッションを通じ、里海の概念は日本だけでなく欧米やアジアでの国際会議においても着実に認知度が上がってきていると考えられており、今回の特別セッションでも、日本はもとよりインドネシア等諸外国の専門家から、海洋環境保全の様々な取組について報告がありました。
会場は立ち見が出るほどの参加者数を数え、予定時間を超過するほど、白熱した議論と活発な意見交換が行われ、里海が統合的沿岸域管理(ICM)の有効的手段であるとして、更なる国際的普及を目指していくことになりました。

内容

第12回EMECS (Environmental Management of Enclosed Coastal Seas:閉鎖性沿岸海域の環境管理)の特別セッションとして、「Satoumi and ICM(Integrated Coastal Management:統合沿岸域管理)」Workshopが2018年11月5日(月)13:30~16:30、タイ・パタヤのJomstien Palm Beachホテルで開催されました。

開会にあたって兵庫県議会副議長の小西隆紀氏が登壇、小西議員からは「極度の汚染状態を克服した日本の瀬戸内海は、現在、漁獲量減少に悩まされていて、“豊かで美しい瀬戸内海”を再生するために、科学者・行政・住民が協力している。本日のWorkshopが豊かな瀬戸内海を再生するために役立てば幸いである」という期待の挨拶がありました。

前半は、Satoumi概念の紹介として、まず柳が2014~2018年に行われている、環境省S13プロジェクトの全体説明と最終とりまとめに向けての方向性が報告されました。

続いて、西嶋先生(広島大学)がS13テーマ1として、「広島湾における栄養塩濃度管理法としては、沿岸海域におけるアマモ場再生が最も有効である」という研究成果を報告しました。さらに、小松先生(横浜商科大)がS13テーマ2として、「2011年の大津波被害から回復を目指す宮城県志津川湾で、漁民・行政・科学者が協働して、湾内における最適養殖法を考案した」という研究成果を報告しました。さらに、吉田主任研究員(環日本海環境研究センター)からS13テーマ3として「日本海の環境管理は全域・対馬暖流内側域・地先海域の3階層管理が必要なこと、地先海域管理の例として、富山湾では地球温暖化に適応した地下水管理が重要である」という研究成果が報告されました。

後半は、R.Summers氏(米国)からブラジル・Guanabara湾の環境改善方策とその成果」に関する報告がありました。さらに、上原先生(立命館大学)からはS13テーマ4として「持続可能な沿岸海域を実現するために、統合持続可能性指標をもとに3段階の持続可能性判定作業が有効である」という報告が行われました。そして、S.Suhandar氏(インドネシア)から「Satoumi概念に基づく、インドネシアのカラワン海岸・バンテイン海岸における複合養殖が成功裏に行われている」という報告がありました。さらに、山本室長(環境省閉鎖性海域対策室)から「日本における総量削減政策は効果的で、各閉鎖性海域で水質は改善している」という報告がありました。最後にB.Carter氏(豪州)から「水質が悪化している東部アンダマン海の沿岸海域で誰を中心とした、どのような対策が有効なのか」という問題提起がありました。  質疑応答では、「Sasiなど様々な地域知があるインドネシアで何故Satoumi概念を持ち込む必要があるのか」、「日本・ブラジル・インドネシア・タイでの沿岸海域管理の共通点と相違点は何か」、「地域住民・行政・科学者の協働を実現する最も有効な方法論は何か」などに関して活発な議論が行われました。最後に、今後さらに 「Satoumi and ICM」に関する国際Workshopを続ける必要があることが確認されました。

参照

第12回エメックス会議 ICM & 里海特別セッション報告