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環境省環境研究総合推進費S-13 持続可能な沿岸海域実現を目指した沿岸海域管理手法の開発環境省環境研究総合推進費S-13 持続可能な沿岸海域実現を目指した沿岸海域管理手法の開発

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2014年9月11日

小松輝久・寺内元基†・太齋彰浩・青木優和・名倉良雄・佐々木久雄・辻本良・佐々修司・阪本真吾・柳哲雄 (2014)
東日本大震災からの沿岸漁業復興を目指す志津川湾藻場再生への取り組み
沿岸海洋研究 第52巻、第1号、103-110

要旨

2011年3月11日の東日本大震災は、東北地方の沿岸に甚大なる被害を与えた。
津波は、沿岸漁業の社会的インフラである港、市場、漁船、筏だけでなく、自然的インフラである藻場にも被害を及ぼした.志津川湾のある南三陸町において藻場の被害状況に関する研究結果を漁業者など地元関係者へ報告し、沿岸漁業の再生のための議論をするワークショップを開催した。志津川湾では、アラメやホンダワラ類などの岩礁性藻場の被害は一部に留まったが、湾奥や河口域の砂泥地に分布するアマモ場の被害は大きかった。討論では、アマモ場再生には陸域からの砂泥供給を遮断しないこと、持続的漁業のできる健全な沿岸環境の復興には、漁業者、地域住民、NPO、自治体、研究者の間の協力が必要であること、そして、これらのメンバーが参加し、科学的根拠に基づいて復興計画を立案し、進捗状況の評価を行うこと、が不可欠であ ると確認された。

※「沿岸海洋研究」の著作権により論文全体をここで公開することは出来ません。ご希望の方は柳までご連絡下さい。別刷りをお送りします。