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環境省環境研究総合推進費S-13 持続可能な沿岸海域実現を目指した沿岸海域管理手法の開発環境省環境研究総合推進費S-13 持続可能な沿岸海域実現を目指した沿岸海域管理手法の開発

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テーマ3(課題番号S-13-3)陸棚・島嶼を含む国際的閉鎖海域・日本海の海域管理法の開発

概要

地球環境変動・東シナ海の環境変動が対馬暖流内側域に及ぼす環境変化及びその各湾への影響の共通性と独自性を明らかにし、MPA指定が生物多様性保全に果たす役割を解明し、陸域と海域を統合した陸海連携管理方法を提案するとともに、日本・中国・韓国・ロシア等が連携した日本海・対馬暖流域統合管理手法を提言する。

リ-ダー 吉田 尚郁(公益財団法人環日本海環境協力センター主任研究員)

サブテーマ1 国際的閉鎖性海域の管理法提案

平成26~28年度実績

日本海低次・高次生態系モデルの再現性を検証するために、既存の現場データを整理し、各サブテーマに提供した。将来変動予測実験を行うための変動シナリオを準備した。安定同位体分析により、日本海の生態系のつながりを明らかにし、低次生態系管理の重要性を示した。3年間で得られた成果もとに、日本海の海域管理法として、日本海三階層管理の導入を提案した。富山湾陸海統合管理の開発に向けた準備を進めた。

平成29年度計画

日本海三階層管理の各階層で実施する管理方策を検証する。第一階層の管理方策に関し、NOWPAPの枠組みを活用した国際共同管理を提案し、その実現可能性を各国からの意見を踏まえて検証する。第二階層の管理方策に関し、サブテーマ3と連携し、海洋保護区および生態学的・生物学的重要海域の適正配置について検証する。第三階層の管理方策に関し、富山湾低次生態系モデルを活用し、陸域管理、主として地下水に着目した陸海ヘルシープランの検証を進める。

実施機関 公益財団法人環日本海環境協力センター
リ-ダー 吉田 尚郁(公益財団法人環日本海環境協力センター主任研究員)

サブテーマ2-1 日本海環境変動予測モデルの提案

平成26~28年度実績

日本海低次生態系モデルを開発し、過去10年の再現計算を行い、日本海の低次生態系の経年変化に対する東シナ海からの栄養塩供給の影響の解明を進めた。また、東シナ海を含めた低次生態系モデルを開発し、栄養塩負荷変動の影響要因の特定に着手した。

平成29年度計画

東シナ海からの栄養塩負荷の変動メカニズムおよび日本海低次生態系の応答メカニズムを解明する。中国からの栄養塩排出変動シナリオに基づいて、東シナ海からの日本海低次生態系の変動予測を行い、栄養塩広域管理のための重点監視項目及び監視海域の候補を選定する。

実施機関 国立大学法人愛媛大学
リ-ダー 森本 昭彦(愛媛大学沿岸環境科学研究センター教授)

サブテーマ2-2 日本海環境変動予測モデルの提案

平成26~28年度実績

日本海低次生態系モデルを開発し、溶存酸素データを用いたデータ同化によって、高精度に再現できるモデルへ改良を進めた。IPCCによる気候変動シナリオおよび東シナ海・陸域からの栄養塩負荷に関する変動シナリオに基づいた将来変動予測に着手し、100年後の日本海の環境変動を試験的に示した。

平成29年度計画

過去50年程度の再解析を通じて、予測精度を推定するとともに、気候変動に関する2つの変動シナリオ、栄養塩排出に関する3つの変動シナリオ及び南水北調に関するシナリオに基づく、日本海の物理・化学・生物環境の将来変動予測を進める。

実施機関 国立大学法人九州大学
リ-ダー 広瀬 直毅(九州大学応用力学研究所教授)

サブテーマ3 日本海高次生態系モデルの構築

平成26~28年度実績

対馬暖流域の物質循環・低次生態系の応答メカニズムが、スルメイカ・ズワイガニの輸送や生残に及ぼす影響を解明するための輸送・生残モデルを開発し、海洋保護区の設置海域や設置時期の検証を行った。富山湾を対象海域とした陸域における管理効果を検証するための低次生態系モデルの開発を進めた。

平成29年度計画

日本海・東シナ海の将来の環境変動による、スルメイカ・ズワイガニの産卵・卵稚仔輸送・生残への影響を明らかにし、将来変動に適応するための静的・動的MPAの適正配置の検証を行う。富山湾低次生態系モデルによる、将来の気候変動の影響を踏まえた、陸域管理の効果の検証を進める。

実施機関 国立大学法人愛媛大学
リ-ダー 郭 新宇(愛媛大学沿岸環境科学研究センター准教授)