閉鎖性海域の環境の保全と適正な利用をめざして 公益財団法人 国際エメックスセンター

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令和4年度若手研究者活動支援について

投稿日:2022年8月24日

公益財団法人国際エメックスセンターは調査・研究体制の強化を図るため、様々な取り組みをしています。その一環として、令和2年度より若手研究者活動支援制度を設置し、閉鎖性海域の環境保全に資する研究に取り組む優れた若手研究者を育成支援することとしました。
この制度を通じて、優秀な若手研究者を発掘して若手研究者間及びエメックスセンター研究員会議等とのネットワークを構築し、閉鎖性海域に関係する研究者の国際的な研究の発展をめざします。

助成対象者情報

氏名 研究課題名 所属
小森田 智大 有明海に面する緑川河口干潟における
アサリ資源回復に向けた統合的研究詳しくはこちら
熊本県立大学 環境共生学部
中谷 祐介 栄養塩類の増加措置による
特定・沖合・隣接海域への好悪影響の解析詳しくはこちら
大阪大学 大学院工学研究科
地球総合工学専攻
藤林 恵 陸域から供給されるケイ素の歴史的変遷と
干潟生態系の群集構造に与える影響詳しくはこちら
九州大学 大学院工学研究院
中國 正寿 季節変化を伴う牡蠣と微細藻類間における
必須脂肪酸組成の関係性詳しくはこちら
香川大学 農学部
岡村 知海 二枚貝浮遊幼生の餌である微小珪藻類の
我が国沿岸域における分布と増殖特性に関する研究詳しくはこちら
水産研究・教育機構水産技術研究所廿日市拠点
板倉 光 有明海における遡河回遊魚エツの
産卵・回遊生態の解明と保全に関する総合的研究詳しくはこちら
東京大学 大気海洋研究所
伊佐田 智規 北海道厚岸湖のアマモ場における
透明細胞外重合物質粒子(TEPs)の変動要因の解明詳しくはこちら
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター

有明海に面する緑川河口干潟における
アサリ資源回復に向けた統合的研究

熊本県立大学 環境共生学部
環境共生学科環境資源学専攻

准教授小森田 智大

熊本県立大学環境共生学部に勤めている小森田 智大と申します。昨年度に引き続いてEMECSセンターの「令和4年度若手研究者活動支援制度助成金」に表題の研究課題にて採択して頂きました。本助成金では、研究費を支給して下さることに加えて、高名な先生方からのご指導を受ける機会も頂けるので、毎回のヒアリングや成果報告会では気持ちを引き締めて勉強させてもらっています。

私の主なフィールドである有明海は日本最大の砂質干潟があります。有明海の干潟にはまだまだ高い生産性があるものの、周知の通り漁獲対象のアサリやハマグリの漁獲量は軒並み低水準のままです。資源量回復に向けた方法の1つとして、2000年頃から干潟への覆砂が進められてきました。干潟では砂が不足しているのに対して、実は上流のダム内では堆砂の許容量が問題となっています。私はダムと干潟間における砂のミスマッチを解消し、干潟生態系を復活させたいと考えています。そのために、まずは「どこに砂を撒けば効果的にアサリを増やすことができるのか?」という問いに答える必要があります。覆砂事業は規模が大きいことから、試しに行うことが難しいです。そこで私は網袋というナイロン袋に砂利を入れた網袋という技術に着目しました。この技術は、安価に実施できる上に、覆砂と同様にアサリの稚貝の着底を促進する効果があります。1年目には、熊本県の緑川河口干潟で行われているアサリ等の資源量調査の結果に着目し過去20年間の調査結果を整理しました。そして、過去のアサリの着底の有無を元に網袋で捕集できるアサリの個体数が対応すると予測し、その予測を確証しました。このことから、資源量調査で過去10年間に渡ってアサリの着底が良い場所に覆砂をすることで、高い効果が発揮されると考えられます。

昨年度の実施時に、網袋の外側だけでアサリの生息密度が低下し、内側では高水準のままでした。このことから、捕食や潮汐による流出など、網袋で緩和される要因がアサリの主な減少要因であると考えられます。そこで、令和4年度では覆砂した後のモニタリングを想定し、アサリの減少要因の解明を目指します。具体的には無人航空機(いわゆるドローン)を用いたエイ類による捕食痕の計数、捕食痕の内側と外側の密度の差、ネットの敷設による捕食と流出の緩和実験を行い、捕食量と流出量の定量を目指します。この成果を用いて、次年度には覆砂実験を行い、その生態系の変化を定量的に評価する予定です。


栄養塩類の増加措置による
特定・沖合・隣接海域への好悪影響の解析

大阪大学大学院 工学研究科
地球総合工学専攻

准教授中谷 祐介

2012年に大阪大学で博士号を取得し,東京大学に1年間勤めた後,2013年から大阪大学で土木工学コースの水工系研究室(みず工学領域)に所属しています.現地調査や数値解析,AIなどを手法として,湖沼・河川・流域・沿岸域の水環境に関する研究に取り組んでいます(https://researchmap.jp/nakatani_civil_osaka).
2022年度は「栄養塩類の増加措置による特定・沖合・隣接海域への好悪影響の解析」という研究課題に取り組みます.瀬戸内海では,有機汚濁と富栄養化の解消を目指して,水質総量規制などの汚濁負荷削減施策が長年行われてきました.その結果,海域の水質は大幅に改善されましたが,大阪湾奥部などの一部海域では赤潮や貧酸素水塊といった富栄養問題が依然残されています.一方,多くの湾灘では,ノリの色落ち被害が生じるなどの貧栄養化(栄養塩濃度の過度な低下)が近年指摘されており,生物の生産性・多様性の確保に支障が生じる可能性も危惧されています.こうした問題を踏まえ,2015年に改正された瀬戸内海環境保全特別措置法では,「豊かな海」の実現に向けた方針転換がなされ,湾灘ごと・季節ごとのきめ細やかな水質管理が求められるようになりました.2021年には地域ごとのニーズに応じて特定海域への栄養塩類の増加措置を可能とする「栄養塩類管理制度」が創設され,現在は各府県による具体的な管理計画が策定されつつあります.貧栄養対策の取り組みは今後各地でさらに加速すると予想されますが,栄養塩類の増加措置に対する沿岸生態系の応答性は複雑であり,解明されていない点も多く残されています.

本研究では,瀬戸内海東部を対象に三次元流動水質シミュレーションを行い,栄養塩類の増加措置による特定海域,沖合海域,隣接海域への好影響と悪影響について解析します.好影響としては特定海域におけるノリの生育に適した栄養塩濃度の制御可能性,悪影響としては沖合・隣接海域における夏季の底層溶存酸素濃度への影響,に主に着目します.栄養塩類の増加措置は,水産資源の確保に直接寄与するのか?周辺海域の環境保全との調和・両立は実現可能か?こうした問いに対して,最先端の数値モデルとスーパーコンピュータを駆使した研究に取り組みます.


陸域から供給されるケイ素の歴史的変遷と
干潟生態系の群集構造に与える影響

九州大学 大学院工学研究院

准教授藤林 恵

この度、令和4年度若手研究者活動支援制度に採択いただきました。昨年度に引き続き、2回目の採択になります。昨年度はアドバイザーの先生方にたいへん貴重なご助言をいただき、また同じ沿岸域を研究対象とする若手研究者の方々とも交流できる機会にも恵まれ、とても有意義な時間を過ごすことができました。そのため、本年度も採択いただき、研究する機会を得たこと、大変うれしく思っているところです。

私は水圏生態系における脂肪酸の動態や役割に関心があります。最近では、珪藻によって合成され、食物連鎖を介して生態系に供給される、高度不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)に特に注目しております。餌として供給されるEPAが水生動物の種数やバイオマスの制限因子として顕在化しうる可能性が見えてきたことから、EPAが生態系の健全性に与える影響について、湖沼や内湾などを対象として調査・研究を行っております。加えて、本研究助成に採択していただいたことをきっかけに、去年から取り組んでいるのが、EPAの生産者である珪藻にとって不可欠な栄養素である溶存態ケイ素(DSi)の動態に関する研究です。

昨年度採択していただいた研究課題では、福岡県を流れる瑞梅寺川を対象として、DSiの動態を調べました。その結果、上流域にあるダムによって河川水中の約10%のDSiが取り除かれていること、河道内のヨシ原内に1か月分の河川負荷量に相当する10トン程度のケイ素がストックされていること等が明らかになりました(図1)。また、河口域の今津干潟で採取したコアサンプルからは、ダムの運用開始後に今津干潟に対するDSi供給量が減少したことを示す兆候が得られました(図2)。二年目の本研究課題では、昨年度同様、瑞梅寺川流域を調査対象地として、DSiの収支を定量的に評価することを目標としています。その際に、昨年度は考慮に入れることができなかった、流域の水田や河道内の付着珪藻による影響も考慮します。また、今津干潟に対するDSi負荷量の変動が、今津干潟の底生付着珪藻の生産量に与える影響についても検討します。将来的にはDSiの負荷量を管理することで珪藻の生産を高め、EPAの安定的な供給を実現し、生態系の保全に貢献したいと考えています。


季節変化を伴う牡蠣と微細藻類間における
必須脂肪酸組成の関係性

香川大学 農学部

博士研究員中國 正寿

この度は,EMECS令和4年度若手研究者活動支援制度助成金に採用を頂き大変にありがとうございます.現在,私は,香川大学農学部にて博士研究員として,播磨灘を中心に瀬戸内海の物質循環の研究に取り組んでおります.本研究テーマは,「季節変化を伴う牡蠣と微細藻類間における必須脂肪酸組成の関係性」です.牡蠣を含む海洋の生物は,エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などの必須脂肪酸を豊富に持っています.必須脂肪酸は,魚類の生育に必要不可欠な栄養素で,魚類の成長率をよくすることが知られています.さらに,これらの脂肪酸は,私たちの健康にも重要な役割を果たし,動脈硬化を防ぐなどの効果があるとされています.海洋の食物連鎖では,DHAやEPAなどの必須脂肪酸は,微細藻類から始まり,高次栄養段階へと引き継がれていきます.牡蠣は,ろ過によって微細藻類を捕食するため,季節ごとに変化する微細藻類によって,牡蠣中の脂肪酸組成は,変化すると期待されます.実際に,脂肪酸組成の異なる餌を変えて牡蠣の飼育を行った先行研究では,餌の脂肪酸組成に牡蠣の脂肪酸組成が応答を見せ,必須脂肪酸の含有率が高い餌では成長率がよくなることが報告されています.しかしながら,現場環境下での牡蠣とその餌の微細藻類の脂肪酸組成が,どのように引き継がれているのかの知見は限られています.そこで,本研究では,どれくらいの量の微細藻類が,どのような脂肪酸を持ち,それがどのように牡蠣に引き継がれているのかを現場観測から明らかとすることを目的としています.さらには,牡蠣の身入りなどを合わせて測定することにより,脂肪酸組成の与える成長率などへの影響も追っていきます.これまでの餌環境の評価は,クロロフィル濃度などのバルク組成で語られることが中心でした.しかしながら,たとえ,餌の量が多かったとしても,そこに栄養がしっかりと含まれていなければ,その餌を食べる生物の良い成長は見込ません.本研究では,これまであまり確かめられてこなかった餌の質を評価し,より詳細な捕食者の栄養素の変化を追っていきます.


二枚貝浮遊幼生の餌である微小珪藻類の
我が国沿岸域における分布と増殖特性に関する研究

水産研究・教育機構水産技術研究所廿日市拠点

研究員岡村 知海

この度は、「令和4年度若手研究者活動支援制度助成金」に採択いただき、感謝申し上げます。私は、国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産技術研究所 沿岸生態システム部 漁場生産力グループに所属し、沿岸域の海洋環境と低次生物生産に関する研究に従事しております。

瀬戸内海では1980年代中頃以降、アサリをはじめとする二枚貝類の生産量が減少しています。二枚貝類は水産生物としてだけでなく、環境水を浄化する作用を有しており、健全な沿岸環境を維持するためには必要不可欠な存在です。二枚貝類生産量が減少している要因として様々な因子が考えられていますが、私はあまり研究が進んでいない二枚貝類の餌料環境の変化について着目しました。これまで、当所ではマガキの生産量が全国で最も多い広島湾において、餌料環境がマガキの生産に与える影響について研究を進めてきました。その結果、10 μm以下の微小な珪藻類 (微小珪藻類) がマガキ浮遊幼生の餌として重要であることが明らかとなり、二枚貝類の生産には浮遊幼生期の餌料環境が極めて重要であることが示唆されました。しかし、瀬戸内海においては浮遊幼生期の餌料環境に関する情報が欠如しており、現在の瀬戸内海が二枚貝類の生産にとって好適な環境か否か不明です。そこで、本研究では、瀬戸内海広域において、二枚貝浮遊幼生の餌となる微小珪藻類の分布・生物量等を調査し、微小珪藻類が豊富な海域とその特徴の把握を試みます。また、昨年度実施した広島湾における現場観測の結果、10 μm以上の珪藻類 (中型珪藻類) が大量発生した後、引き続き微小珪藻類が大量発生する現象を捉えることができました。広島湾で確認されたものと同属の微小珪藻類が有機物を利用できるという報告があることから、微小珪藻類は中型珪藻類由来の有機物を利用し、海域で増殖している可能性が考えられました。この仮説を広島湾での高頻度観測や室内試験で検証し、微小珪藻類の大量発生メカニズムの解明に挑戦します。

最終的には、本研究で得られる結果を総合し、二枚貝類の生産にとって好適な沿岸環境 (微小珪藻類が大量発生し易い沿岸環境) に関する情報を提供するとともに、二枚貝類の生産低迷の原因を解析するための基盤情報を得ることを目標としています。得られる成果は、瀬戸内海にとどまらず、世界の二枚貝資源を持続的に利用できる沿岸環境の提示と健全な沿岸環境の維持に貢献できると考えています。


有明海における遡河回遊魚エツの
産卵・回遊生態の解明と保全に関する総合的研究

東京大学 大気海洋研究所

助教板倉 光

この度は、令和4年度若手研究者活動支援制度助成金に採択していただき大変ありがとうございます。私は、2014年に東京大学大学院新領域創成科学研究科で博士号を取得後、日本学術振興会特別研究員として神戸大学大学院理学研究科と米国メリーランド大学環境科学センターチェサピーク生物学研究所にて勤務し、2021年12月より東京大学大気海洋研究所に所属しております。私の研究テーマは「環境変動に対する水産資源の応答機構の理解」で、特に魚類の多様な回遊型や生活史特性が環境変動下においてどのように個体群維持に寄与するのかに興味を持って日々の研究を進めています。これまで、ウナギ属魚類やストライプドバスといった海と川を行き来する通し回遊魚を対象とし、耳石分析やバイオテレメトリーを使って、分布・回遊・成長に与える気候変動や環境改変の影響を調べてきました。

今回助成していただく研究課題では、川で産まれ海で成長する遡河回遊魚エツの産卵・回遊生態の理解を通して、閉鎖性海域の環境や本種資源の保全に貢献するための調査を行います。閉鎖性海域である内湾–河口域生態系は高い生物生産・生物多様性を誇る重要な水域です。特に、汽水域に形成される高濁度域は、多くの水圏生物の生育場として不可欠な水域となっています。東アジアに広く分布するカタクチイワシ科エツ属魚類は、このような閉鎖性海域、特に高濁度域に強く依存し、海と川間を回遊するため、高濁度域の健全性や川と閉鎖性海域間の接続性を示す良い指標種になり得ると考えています。日本では、エツは有明海とその流入河川にのみ生息し、初夏に産卵のために川を遡上します。エツは限られた場所と時期にしか見られないことから「幻の魚」とされ、夏の風物詩として珍重されていますが、その漁獲量は長期的に減少傾向にあります。このような状況にもかかわらず、エツの生態情報は国内外を問わず不足しているのが現状です。そこで私は、有明海をモデルとし、耳石安定同位体比や環境DNA分析を用いて、エツの産卵河川、仔稚魚期の成育場ならびに回遊パターン、成長に伴う海での空間分布と生息環境を推定し、エツが指標する環境特性を生活史に沿って明らかにしていきます。将来的には、母川回帰性や有明海産エツの資源動態機構の理解を通して、このシンボリックな魚の生態情報を指標とした東アジアの閉鎖性水域の保全や適切な資源管理の実現に貢献していきたいと考えています。


北海道厚岸湖のアマモ場における
透明細胞外重合物質粒子(TEPs)の変動要因の解明

北海道大学北方生物圏フィールド科学センター厚岸臨海実験所

准教授伊佐田 智規

この度はEMECS若手研究者活動支援制度助成金に採択いただき有難うございます。私は、北海道東部にある厚岸湖・厚岸湾の植物プランクトンやアマモを対象に、沿岸域の炭素循環過程を明らかにする研究を行なっています。厚岸湖は水深約2mの亜寒帯閉鎖性海域の汽水湖で、ほぼ全域にアマモが繁茂しています。陸域後背地にはラムサール条約登録湿地、かつ国定公園で国内2位の湿地面積を誇る別寒辺牛湿原が広がっています。湿原を通ってきた別寒辺牛川が厚岸湖へ注がれ、厚岸湾には沿岸親潮が流入するなど、豊かな生態系が広がっています。カキやアサリの養殖も盛んです。

沿岸域の水深が浅い沿岸浅海域において、アマモやコンブといった海草・海藻藻場の光合成により海の中に吸収・貯蔵される炭素「ブルーカーボン」は、気候変動を緩和する機能として近年益々注目されています。特に、日本は海岸線が世界第6位の長さを誇り、世界的にも主要なブルーカーボン貯蔵国である可能性が高いと考えられています。今後の気候変動を予測するためにも、藻場の炭素循環過程を正確に理解する必要があります。

本研究では、透明細胞外重合物質粒子(TEPs)と呼ばれるネバネバ物質に注目しています。0.4μm以上の酸性多糖類で、粘性が高いため、水中に漂う粒状有機物を凝集させる接着剤として機能します。最終的にはマリンスノーの様な大型の凝集体を形成し、海の深いところや海底へ沈降していきます。TEPsによる粒子の凝集は、海の中に炭素を閉じこめる重要な役割を果たしています。

TEPsの起源は生物が細胞外へ排出した溶存有機炭素(DOC)であり、主に植物プランクトンに注目した研究が多く行われきました。しかし、アマモ場でのTEP動態研究は極めて少ない状況です。アマモ場でもDOCが多く生成されることが知られているため、TEPも多く生成されると考えられます。アマモの地下茎や葉などの海底への堆積が、主要な有機炭素の埋没・貯蔵過程の一つですが、TEPs動態変動は明らかにされていないため、アマモ場の炭素吸収・貯蔵機能が過小評価されているかもしれません。本研究は、厚岸湖のアマモ場におけるTEPs濃度の季節変化とその変動要因を解明し、TEPsによる有機炭素の貯蔵経路が存在するのかを調査し、アマモ場の炭素循環過程の正確な理解を通して、ブルーカーボン生態系の保全へ貢献することを目指します。


事務局・連絡先

(公財)国際エメックスセンター
担当:大輪
〒651-0073
神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5番2号
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